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被害者のための情報

高次脳機能障害について

 高次脳機能とは、脳の機能のうち、知覚や運動によって得られた情報を連合することで機能する、認知、言語、記憶、行動・遂行、情動・人格等の高度の機能をいいます。そして、これに生じた障害のことを高次脳機能障害といいます。
 

 高次脳機能障害は自賠責保険の後遺障害等級認定においては「脳の器質性精神障害」として位置づけられ、障害の程度に応じて、1級、2級、3級、5級、7級、9級といった等級で評価されることになります。
 高次脳機能障害は交通事故損害賠償の分野では「見過ごされやすい障害」であると言われていてその評価が難しいことや、また、自賠責における等級認定が基本的に書面審理であることなどから、しばしば後遺障害等級認定の結果に疑問を持たざるを得ないようなケースも存在します。
 特に、中等級以下の後遺障害の等級評価については結論の妥当性を適切に導くことは難しく、当事務所でも家族と一緒に法律相談に来られた被害者の方について「この人が○級なのか??」と首を傾げざるを得ないことも時々あります。
 

 高次脳機能障害は症状固定前に適切な等級認定に向けて、弁護士のサポートを得ることは有益であり、当事務所も交通事故の後遺障害等級認定のサポートを実施しています。高次脳機能障害は是非とも当事務所にご相談ください。

保険の種類

 どのような種類の自動車の保険があるのか、また、自分の加入している自動車の保険の内容はどうなっているのか、あまり関心を持たないことが通常であるかとは思いますが、適用される保険契約によって被害者の権利保障が左右されるといっても過言ではありません。
 ここではどのような種類の保険があるのか、自動車に関する保険をいくつか紹介します。

自賠責保険

 正確には「自動車損害賠償責任保険」といい、自動車による人身事故の被害者を救済するため、加害者が被害者に支払う義務のある損害賠償額のうち、一定限度額を支払うことを保障するものです。法律上、加入することが強制されています。
 自賠責保険金の支払限度額は、裁判で認められる賠償金よりかなり低額になっています。例えば、傷害部分は120万円、死亡なら3000万円、後遺障害がある場合には14級~1級の等級に応じて75万円~4000万円がそれぞれ上限となっています。
 自賠責保険金は被害者が自賠責保険会社へ直接請求することができ、(「被害者請求」といいます。)その手続きのなかで後遺障害等級が決められます。ただし、後遺障害等級は損害保険料率算出機構という自賠責保険会社とは別の団体が認定することになります。
 他には、任意保険会社が主体的に損害保険料率算出機構に対する後遺障害等級認定の手続をする方法もあります。(「事前認定」といいます。)実務上はこの事前認定の方法で後遺障害等級が認定されることが多いです。
 後遺障害等級認定のための手続きを被害者請求で行うか、あるいは事前認定で行うかは交通事故に詳しい弁護士に一度相談することをお勧めします。

任意保険

 民事訴訟では、損害額として数億円の支払いが認められることもあり、支払上限額が低額である自賠責保険だけでは到底対応できません。この保険は自賠責保険の支払限度額を超過した損害について補償する保険です。
 もっとも、任意保険会社は判決や裁判上の和解で認定された金額は支払うものの、それに至る前、すなわち示談交渉の段階では裁判で認められる基準をもとに計算した示談金を支払うわけではなく、任意保険会社の基準と称してより低額な基準で計算した示談金を提示してきます。

無保険者傷害保険

 加害者が対人賠償保険に加入していない場合、被害者は十分な賠償を受けられないことがあります。その場合、被害者側がこの保険に加入していれば、加害自動車に対人賠償保険が付されているのと同様の効果が得られます。多くの約款では死亡または後遺障害の発生が保険金支払いの条件になっています。
 この保険ではいわゆる裁判基準による支払を求めることが原則として可能ですが、無保険者傷害保険会社との交渉では任意保険(対人賠償保険)と同じく、低額の基準による支払を提示されることが多いです。

 もっとも、近時、無保険者傷害保険は人身傷害補償保険に加入しない場合にのみ付されたり、あるいは人身傷害補償保険の一部に実質的に組み込まれた形を取ったりする約款を採用する保険会社が現れています。こういった保険会社の保険に加入している場合には、無保険車との事故により損害が発生したときに人身傷害補償保険の支払基準(裁判基準より低額です。)でしか損害が補填されない可能性があります。
 保険会社ごとにケースバイケースなので、自分の保険ではどうなるのかについては保険約款を確認するか、約款が難しくてよくわからない場合には保険に詳しい弁護士に相談してみるとよいと思います。

無保険者傷害保険において裁判基準での解決が不可能な保険会社

 近時、各保険会社の補償内容も多種多様で、無保険車傷害保険であっても、約款上、裁判基準による保険金の取得ができないものが増えています。その内容をおおまかに分類すると、

①無保険者傷害保険における損害が人身傷害補償保険の基準によって算定されるもの

②人身傷害補償保険の適用のない場合にのみ、無保険者傷害保険が適用されるもの

があります。
 ①は、人身傷害補償保険の基準(裁判基準より低額です。)によって損害が算出されるので被害者にとって不利ですし、②は、人身傷害補償保険が普及していることに鑑みると、結局、人身傷害補償保険の基準によって損害が算出されることが多くなり、やはり被害者にとって不利になります。
 平成27年1月5日始期で保険が適用されると仮定して、各保険会社の約款上の取扱は以下の表のとおりになります。(注:保険会社の約款は随時改正されています。保険の加入時期によっては以下の表のとおりではなく、被害者有利になることもあります。気になる方は一度弁護士に確認する等してください。)
 各保険会社を比べると、無保険車傷害保険に関しては、共栄火災、アクサダイレクトが被害者に有利な約款となりそうです。

 
 保険会社  ①保険金の算出基準  ②人傷との関係
 東京海上日動(トータルアシスト)  人傷の基準  人傷なしのとき適用
三井住友(GK)  裁判基準が可能  人傷なしのとき適用
 損保ジャパン日本興亜(THEクルマの保険)  人傷の基準  関係なし
 共栄火災(KAPくるまる)  裁判基準が可能  関係なし
 ソニー損保(Type-s)  裁判基準が可能  人傷なしのとき適用
 アクサダイレクト  裁判基準が可能  関係なし

人身傷害補償保険

 人身傷害補償保険は、人身事故によって被った損害について、被害者側の過失割合にかかわりなく保険金が支払われる保険です。自分に過失がある場合、(特に過失が大きい場合)に利用価値がある保険であるといえるでしょう。
 もっとも、自分に過失がある場合にも保険金が支払われるといっても、その保険金は保険約款上の算出基準に基づいて計算された金額であり、この保険約款上の基準は、いわゆる裁判基準(裁判をしたときに加害者側に責任を負わせることができる賠償金の基準)より低額であるという点には注意が必要です。

 人身傷害補償保険は比較的歴史の新しい保険であり、そのことも関係してか、これまでに多くの裁判で様々な点が争点となっています。
 人身傷害補償保険金を受け取りつつ、加害者に対して損害賠償請求を行う場合には、一定の配慮を要する場合がありますので、一度、保険に詳しい弁護士に相談してみてもよいでしょう。

交通事故に遭ったときに何をすべきか

 交通事故被害に遭ったとき、被害者とその家族の悩み、心配ごとは多岐にわたります。「これからの生活はどうしよう?」「治療費はどうなるのか」「賠償金はどうなるの?」「加害者の処罰は?」など様々な方面での心配ごとが発生します。

 

 ここでは主に適切な賠償金獲得の観点から、交通事故発生、②入院・通院、③治癒・症状固定、④後遺障害等級認定、⑤任意保険会社からの示談案の提示の各時点において、留意しておくことを順に述べたいと思います。
 なお、弁護士が賠償金獲得に向けて具体的に活動するのは③より後の段階になりますが、①から③までの間であっても正当な賠償金の獲得に向けて専門家が助言できることはあります。
 当事務所は①から⑤のいずれの段階での相談も受付けております。

交通事故発生時

gf1120194204x 交通事故被害にあったら、速やかに警察に申告して下さい。
 場合によっては「警察に申告せず示談しましょう。」「保険が下りないから運転者は別人だったことにして欲しい。」といった申出が加害者からあるかもしれませんが、絶対にこれに応じてはいけません。
 警察への申告は法律上の義務ですし、これを怠ると後々の損害賠償請求に支障が生じることがあります。後者の申出に応じると詐欺罪の共犯として処罰される可能性があります。

 

実況見分の際に気をつけること

 人身事故の場合には事故の当事者を伴い警察官によって実況見分が行われ、実況見分調書が作成されます。この実況見分調書は後々民事訴訟となったときには有力な証拠として取り扱われることになるのですが、なかにはこの実況見分調書が正確に作成されているのか疑わしいケースもあります。
 被害者が実況見分に立ち会うことが可能な場合には、事故発生時のことを正確に警察官に伝えることを心がけ、少なくとも自分の勘違いで事実と異なった調書が作成されることがないように注意する必要があります。

 

客観的証拠の確保

 事故状況に関する当事者の言い分が異なることは、その程度差はあるものの、決して少ないわけではありません。
 特に、死亡事故や被害者が重度の障害を負うなどして、被害者が事故時の話ができない場合において、加害者が一方的に自己に有利なように事故状況を述べているのではないかと思われるケースは深刻です。
 こういった場合、事故状況を正確に再現するために客観的証拠が有力な資料となります。場合によっては、事故現場や事故車両などの写真撮影ができるとよいのですが、これらを証拠となり得るように撮影することは素人では困難なことが多いので、専門家に相談したほうがよいでしょう。

入院・通院時

頭部外傷 入院・通院費用は、加害者側の任意保険会社が直接病院に対して支払うのが原則です。もっとも、こういった取り扱いを許容しない病院が一部あります。その場合は、被害者側がいったん病院に支払い、加害者側任意保険会社に請求することになります。
 また、被害者側の過失が大きいと見込まれる場合など任意保険会社が病院への直接払いを行わないことがあります。その場合、被害者が人身傷害保険に加入していれば、その保険会社に病院への直接払いを対応してもらいます。

 

医師への申告

 医師へ症状を申告するときは、痛み、症状、部位などをすべて正確に申告して、カルテに記載してもらうようにして下さい。
 事故から相当期間経過した後にはじめて症状を申告したりすると、後々の裁判などで交通事故との因果関係を争われることがあります。

 

証拠書類の保管

 治療のために使った費用(例:診察代、通院のためのタクシー代)に関する領収書等はすべてきちんと保管しておいて下さい。任意保険会社の求めに応じて提出するときには、コピーを取得しておくほうが好ましいです。

 

健康保険は使うべきか

 交通事故による受傷でも健康保険は使用可能です。
 保険会社から健康保険を使用するよう要請があるとこれに反発する被害者の方もいますが、被害者側に過失割合が見込まれる場合などにおいて、健康保険を使用しないと被害者が最終的に得られる賠償金の金額が健康保険を使用する場合に比べて少額となる可能性があります。
 ことさらに健康保険の使用を忌避する必要はないでしょう。